# ペスカタリアン食でシニアの活力を引き出す食事法

年を重ねても健康で活動的に過ごしたい。そんな願いを持つシニア世代にとって、毎日の食事選びは健康維持の重要な鍵となります。近年注目を集めているペスカタリアンという食事法が、シニア世代の健康と活力に良い影響をもたらすことがわかってきました。

## ペスカタリアン食とは何か

ペスカタリアン食とは、肉類は避けつつも魚介類は摂取する半ベジタリアン的な食事スタイルです。「ペスカ」はイタリア語で「魚」を意味し、植物性食品を中心にしながらも、良質なタンパク源として魚介類を取り入れるバランスの良い食事法です。

肉を控えながらも魚からの栄養素を摂取できるため、完全菜食主義よりも栄養バランスを取りやすいという利点があります。特にシニア世代にとって必要な栄養素を無理なく摂取できる点が大きな魅力です。

## シニア世代にペスカタリアン食がおすすめな理由

1. 心血管系の健康をサポート

魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、悪玉コレステロールを下げ、血管の柔軟性を保つ効果があります。特に青魚に多く含まれるDHAやEPAは、心臓病のリスクを低減することが多くの研究で示されています。

高齢になるほど気になる動脈硬化や高血圧の予防に役立ち、健康寿命を延ばす可能性があります。

2. 認知機能の維持に貢献

魚油に含まれるDHAは脳の主要成分でもあり、認知機能の維持に重要な役割を果たします。定期的に魚を食べる高齢者は認知症のリスクが低いという研究結果も出ています。

記憶力や思考力を維持したいシニア世代にとって、魚を取り入れた食生活は心強い味方になるでしょう。

3. 筋肉量の維持をサポート

年齢とともに減少しがちな筋肉量。魚は良質なタンパク質源であり、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。肉と比べて消化もしやすく、高齢者の体に負担をかけません。

植物性食品と魚を組み合わせることで、筋肉の維持と修復に必要な栄養を効率よく摂取できます。

4. 炎症を抑制する効果

加齢に伴う様々な不調の背景には、体内の慢性的な炎症があると言われています。魚油に含まれるオメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、関節痛や慢性疾患のリスク低減に役立ちます。

また、植物性食品に含まれる抗酸化物質も炎症の抑制に役立ちます。

## シニア向けペスカタリアン食の実践ポイント

多様な魚介類を取り入れる

サーモン、イワシ、サバなどの青魚はDHAやEPAが豊富です。一方、白身魚は低カロリーで消化しやすい特徴があります。貝類にはミネラルが豊富に含まれています。

多様な魚介類を取り入れることで、より幅広い栄養素を摂取することができます。

植物性タンパク質も忘れずに

豆腐、納豆、枝豆などの大豆製品や、レンズ豆、ひよこ豆などの豆類は良質な植物性タンパク質源です。これらを積極的に取り入れることで、魚だけに頼らないバランスの良い食事になります。

彩り豊かな野菜と果物

抗酸化物質が豊富な色とりどりの野菜や果物を積極的に摂取しましょう。ブロッコリー、パプリカ、ほうれん草、ブルーベリーなど、色の濃い食材は栄養価も高い傾向があります。

質の良い炭水化物を選ぶ

白米や白パンよりも、玄米、全粒粉パン、さつまいもなど食物繊維が豊富な炭水化物を選びましょう。血糖値の急上昇を防ぎ、腸内環境も整えます。

## シニアに嬉しいペスカタリアンレシピ例

簡単!鮭とアボカドの丼

鮭の切り身を軽く焼き、アボカド、水菜、きゅうりを細かく切って玄米の上に盛り付けます。オリーブオイルとレモン汁、醤油で味付けすれば、DHAと良質な脂質が豊富な一品の完成です。

地中海風イワシのオーブン焼き

イワシにオリーブオイル、ニンニク、ローズマリーを絡めてオーブンで焼きます。トマトやズッキーニなど彩り豊かな野菜も一緒に焼けば、栄養満点のメインディッシュになります。

豆腐と海藻のサラダ

木綿豆腐と水で戻した海藻(わかめや寒天など)に、すりごまとゴマ油、醤油で和えるだけ。カルシウムやミネラルが豊富で、消化にも優しいサラダです。

## まとめ

ペスカタリアン食は、肉類を控えながらも魚介類から必要な栄養素を摂取できる、シニア世代に最適な食事法の一つと言えるでしょう。心血管系の健康維持、認知機能のサポート、筋肉量の維持など、年齢とともに気になる健康課題に対応できる強みがあります。

無理なく続けられる範囲で取り入れることが大切です。いきなり食生活を変えるのではなく、週に数回、魚料理の日を作るところから始めてみてはいかがでしょうか。

健康的な食事と適度な運動、充分な睡眠を組み合わせることで、いつまでも活力あふれるシニアライフを送ることができるはずです。